昔よく新潟放送(BSN)のラジオCMでよく流れていた
「♪うまっかまっかまっか うまか亭~」
というジングル。
うまか亭という新潟のローカル弁当チェーンがあることは認識していたが、あまり縁のない存在だった故、その魅力に長い間気づけなかった。
いま、絶滅危惧種の新潟の弁当チェーン「うまか亭」を強く思う。
うまか亭は佇まいが最高
その存在を長いこと認識していたにせよ、強く意識したのはここ最近だ。
そのきっかけとなったのが、燕市の「うまか亭燕本店」である。

↑出会いは、私の趣味である商店街歩きの最中に
ふいに、幼き頃の聞いたあのジングルがふいにフラッシュバックする。
これがあのラジオCMで死ぬほど聞いた「うまか亭」か…!
そしてこのお店の佇まい。
入居する建物の経年具合に、やや色あせた看板…
この外観をおかずにして白飯がいけそう。
↑店内のキュッとした感じもいい
↑メニューは更新されているのだろうか。少し日焼けした感じもなんかいい。

唐揚げ弁当1つお願いします!


唐揚げにポテトサラダ、煮豆。
唐揚げは大きなむね肉をカットしたタイプ。

↑近くの公園で食べる
美味しかった。
だけどいまは、美味い美味くないよりも「うまか亭」という存在に興味が向いている。
もはや「うまか亭」はチェーン店ではないらしい
ここで一つ疑念が湧いてくる。
チェーン店のわりにはこちらのお店、なんだか牧歌的過ぎる気がするのだ。
独自のメニューの貼り紙もあるようだし。

↑ちょっと質問なんですが
「こちらのお店、『燕本店』とあるのですが、うまか亭の『本店』ということでいいんでしょうか?」
と聞けば、
「昔の名残で「本店」という名前になっていますが…」
「うまか亭自体、かつてはチェーンでしたが、いまは本部もないので、それぞれのお店が「うまか亭」の屋号を掲げて独自にやっているような感じです」
とのこと。
そういえば、最近はラジオCMも聞かなくなったな。
とここで私のメガネがキラリと光る。
なにせ私は「同じ屋号を掲げながらユルい縛りでつながるチェーン的なお店」に目がないからだ。
ヤマザキショップ、札幌ラーメンどさん子など、一見して共通したフォーマットがありながら各店舗の独自性を持つ共同体を追いかけるのが好きなのだ。
「うまか亭」はいまはチェーンではなく、本部機能もなくなったとのことだが、いまなお「うまか亭」の屋号を掲げて営業する各店がどんな感じなのか、巡りたくなってきた。

↑すぐさま新潟市南区は白根にある「うまか亭 白根店」へ


↑店内に貼ってあったメニューのポスターは燕本店と同じもののよう

↑こちらのお店でも唐揚げ弁当を注文。燕本店でかかっていたうまか亭のロゴが印刷された紙はかかっていない。

↑唐揚げの感じも、付け合わせも。弁当容器も燕本店とは全然違う!

↑たしかに美味しかったよ
思えば、いわゆる「まちの弁当屋さん」とあまり縁のない人生だった。
それが、店内の空気を吸うだけで気持ちが満たされるような、こんなにもいいものだとは知らなかった。
これは大手弁当チェーンでは起こらない感情のような気がした。
惰性でのチョイスではなく「なにを食べようかな」と選ぶ楽しさ、心からこの弁当を食べたいという気持ちが湧き上がってくる。

↑三条市の「うまか亭 三条林町店」へ
きっと、あのラジオCMを聞いていた子どもの頃から、あまり変わっていないのだろう、そんなことを思わせる。
むしろそれが、すごくいい。
「うまか亭」の魅力に気付くまでの失われた時を思う
正直遅かった。
うまか亭の魅力に気付くまでに時間がかかり過ぎた。
その間にいくつもの「うまか亭」が失われているのだ。

↑長岡市の「うまか亭 長岡新町店」。建物こそ残っていたが…

↑時すでに遅し(2021年2月訪問)。いまは更地となっている。

↑うまか亭 与板店。看板も外されているが、Googleストリートビューでは2012年現在営業中の画像も見られた。

↑うまか亭 吉田店(更地)
他にも、「うまか亭 中条店」「うまか亭 巻店」「うまか亭 見附店」などが近年閉店しているようだ。
「出会うのが遅すぎたね」と言いたいのはGLAYだけでなく、私も同じだ。
HOWEVER、くよくよしている暇はない。
汝、いまある「うまか亭」を愛せよ。
うまか亭 村松店への訪問と別れ
私が現存を確認しているのは、「うまか亭 燕本店」「うまか亭 白根店」「うまか亭 三条林町店」、そして「うまか亭 村松店」の4店だ。
残るは五泉市村松にある「村松店」である。


商店街に立地してアーケードに組み込まれているのもポイントが高い。

↑上に貼られた写真の褪せ具合よ

これまで訪問したうまか亭の中でも、抜群に雰囲気に趣きがある。


↑唐揚げ弁当 いただきます!

↑燕本店と同じ紙だ!オールドスタイル!


↑唐揚げも最高!
と、いうのが2023年の出来事。
それから2年。

↑うまか亭が変わってる…!
綺麗になった内外装。
そして名前までが「うまか亭 村松店」から「さくら弁当」に。
唐揚げ弁当を購入がてら聞いてみる。
「こちらのお店、以前「うまか亭」でしたよね…?」
「はい、お店をきれいにして名前も変えましたが、後はそのままです。なので、その唐揚げ弁当の味も変わらないと思いますよ」
変わるものもあれば、変わらぬものもある。
変わるものがあるから、変わらぬように見えるものに惹かれる。
そんなことを思いながら食べた「さくら弁当」の唐揚げは、「うまか亭 村松店」のあの味のままだった、気がした。
♪うまっかまっかまっか うまか亭~
あのラジオCMが流れることは、おそらくもうない。
だけど、各地のうまか亭に足を運んだ記憶とともに、いつまでも頭の中で鳴り響いている。
「うまか亭」という名前のお店がある限り、これからも足を運ぶだろう。
どのお店の唐揚げ弁当にしようかな。