渋ちん思考

大型連休の思い出づくりにと計画した子ども向けの展覧会の鑑賞券を予約しようとして、クリックする手が止まる。

家族4人で4000円オーバーだ。

さぞかし子どもが喜ぶだろうと思いつつ、その金額に怯んでいる自分がいる。

ミュージシャンのアルバム買えんじゃん。

そんなことをひとたび口に出せば、妻になじられるから言わないけれど。

朝の情報番組で取り上げられる、いま若者に人気のスイーツの話題。

いつしか私の興味はスイーツそのものよりも値段に。

ラーメン食べられるじゃん！

つい口に出しては、冷たい視線を浴びている。

あなたを喜ばせるためにお金に糸目をつけなかったのも今は昔。

デフレ社会で甘やかされてきたから、近頃の物価高騰で高山病のような症状。

もう少し身体をならす訓練が必要です。

「ラーメン食べられるじゃんて言うけどさ、いまやラーメンも高いからね!?」

そうなの？

こないだまで遠慮なくトッピングを付けられる大人になりたいナ、なんて己の渋ちん思考を笑っていたのに。

そんな私の手元には一時停止違反の反則金の納付書が。

そろそろ銀行に払いに行かなくては。

私が払ったこの反則金が国庫に入りガードレールの整備とかに使われて、巡り巡って誰かの役に立つのだろうか。

なんて考えてみても、渋ちんの私はいつまでも悔やみ続けるのです。

はて、7000円でラーメン何杯食べられるんだろう。