人気ブログランキング | 話題のタグを見る

書き物

憧れのくるぶしソックス

「なにその靴下!?」

ある日友人が中学校に履いてきたのは、丈が極端に短いソックス。

くるぶしソックスだの、アンクルソックスだの、スニーカーソックスだの言うらしい。

気付けばかっこいい先輩も、気になる女子も履いている。

しまったと思った。

乗り遅れた、っていうかそんなものが出回っていることも知らない。

流行を教えてくれた兄は、大学進学ですでに実家を出て東京へ。

ああ、なんで誰も教えてくれなかったんだよ!

俺が履いているのは、白のハイソックス。

それはあたかも、みながトランクスを履き始めたのに自分だけ白のブリーフを履いているかのような、そんな気分。

急いでハイソックスを折って、無理やりくるぶし丈に仕立てたのだった。


「お母さん、あれ買ってきてよ、くるぶし丈のやつ」

当時よく出回っていたくるぶしソックスは、白地で淵のところだけラインのように色が切り替わっているもの。

ローカットのスニーカーを履いたときに、見えるか見えないか、そんなギリギリの丈がイケている。

一見くるぶし丈のような靴下でも、少し長いものだとスニーカーから微妙に出てダサい。

「こんなの履けないよ!」

母親がダイエーだか、イトーヨーカドーだかで買ってきた靴下が微妙に違うと、反抗したのだった。


少ないおこづかいから、自分で買ったこともあった。

「逆張りの精神」が芽生えて、あえて丈の長い靴下を履いていたこともあった。

すべてはイカした自分でいるため。

すべてはモテるため。


やがてくるぶしソックスはトレンドを超え、定着の様相。

今の中学生も履いているのだとしたら、どう思っているのだろうか。

あって当たり前のもので、そこに感想も何もないのだろうか。


そして自分はだんだんと「イカしているか」よりも、ラクかどうかに重きを置くようになってきた。

みなさん、知ってますか?ストレッチの効いたズボンって最高なんですよ。


今も衣装ケースには、くるぶしソックス。

足を入れながら、靴下だけであんなに熱くなれた、あのときの情熱を思い出す。

服装のラクさにかまけても、ソックスの丈だけはいつまでもこだわる自分でありたい。

by s_ogawa0728 | 2020-10-13 23:03 | 書き物 | Comments(0)

おがわ収蔵館です


by おがわしゅう