「ご当地ソングの女王」こと水森かおり(敬称略)。
それだけご当地ソングがあれば、楽曲をヒントにご当地めぐりができるのではないだろうか。
ご当地ソングの女王こと水森かおり
「ご当地ソング」とはある特定の地域を舞台にした歌のこと。地名や各地の地方色が歌詞に反映されている。そんな中で、水森かおりは「ご当地ソングの女王」と呼ばれるほどご当地ソングをリリースしている。
水森かおりがいままでにリリースしたシングルの表題曲のうち、ご当地ソングを以下にまとめてみた。
シングル曲だけでこれだけのご当地ソングをリリースしている。
シングルのカップリングやアルバム収録曲を含めれば膨大な量だ。
これだけご当地ソングがあれば、楽曲の歌詞をヒントにご当地めぐりができるはず。
今回は三曲をピックアップしてご当地へ赴いてみたい。
白鳥が見られる「越後水原」
まずは今年2016年のリリース、「越後水原」の舞台となった新潟県は旧水原町(現阿賀野市)へ行ってみたい。
「越後水原」の歌詞の内容を私なりに解釈すると、別れた人を思う悲恋の歌である。
今回の企画、歌詞の中にある地名をヒントに歌の舞台を巡りたいのだが、「越後水原」の中に地名がちりばめられているかというとそうでもない。
具体的な地名は「越後水原」のみである。
ただし重要なキーワード、「白鳥」が何度も登場する。
これは旧水原町にある瓢湖(ひょうこ)という湖に飛来する白鳥に由来するものだろう。
よし、ご当地ソング「越後水原」をヒントに瓢湖へ白鳥を見に行こう。
歌詞の中でキーワードとなっている白鳥だが、シベリア方面から瓢湖へ飛来するのは冬である。
しかし今回訪れたのは7月。
季節外れの訪問に白鳥の姿も拝めないか…と思ったそのとき。
これはどう見ても白鳥だろう。
オフシーズンと思われた瓢湖で数羽の白鳥を見ることができた。
この白鳥たちは何をしているのだろうか。
とにかく水森かおり「越後水原」に歌われる白鳥、見れて良かった。
いざ「佐渡航路」へ
続いては2015年リリース、『歌謡紀行14~大和路の恋~』収録の「佐渡航路」である。
この歌についても私なりに解釈すると、別れたが愛する人への思いが消えず、吹っ切るために佐渡を訪れる、そんな歌である。
というわけで水森かおり「佐渡航路」をたどる旅へ。
フェリーでの約2時間半の船旅を経て、佐渡にやってきた。
「佐渡航路」の歌詞の中には「千畳敷」(旧相川町にある岩礁)という具体的なスポットや「たらい舟」(文字通りたらいを舟にした乗り物。もともとは漁法の一つだが観光資源となっている)なんてワードも登場するが、今回はそれらの場所は諸事情で寄ることができなかった。
歌詞の中には他に具体的な地名も出てこず、楽曲としても「佐渡航路」がメインなので、すぐ本州へ引き返そう。
水鏡は何を映す?「野尻湖ひとり」
最後は2005年発売のシングル「五能線」のカップリング、「野尻湖ひとり」をもとに長野県は野尻湖へ行こう。
この曲もまた私なりに解釈させてもらうと、終わった恋を忘れるために野尻湖を訪れるが、その野尻湖でもなお「あなた」を思い出す、という内容だ。
↑「湖畔の宿」はこういうホテルではなく雰囲気のある旅館なんでしょうな
ご当地ソング+ご当地めぐりはおもしろい
ガイドブックでの旅行に飽きたら、次はご当地ソングを参考にしての旅を提案したい。
情報量こそ少ないが、逆に現地での楽しみや驚きは大きくなるものだ。
今回参考にしたご当地ソング三曲だが、ご当地ソングといっても地名がバンバン出てくるようなものは少なかった。
もしかしたら自治体なんかの依頼を受けて作るかもしれないが、あまりにも露骨だと興ざめするかもしれないし、と思った。
スポンサーも納得させつつ、いやらしくならないように曲の世界観を築く作詞家さんと作曲家さん、そして水森さんはやはりプロですね。
※このエントリはデイリーポータルZの投稿コーナー「自由ポータルZ」に掲載されました