括り |
売上と入金にタイムラグがあるのを無視し自分の恣意で持ち出した「当月」という概念で括った数字がここでは意味をなさないということに気付いたとき、合点がいくよりも自分の馬鹿さ加減にうんざりしたし、コーヒーはすっかり冷めていた。
夕飯は何を食べようか。
栄養学の知識は持ち合わせていないが、朝・昼・晩のそれぞれの食事の中に動物性のものと野菜、主食が必ず入っていなければなんだか栄養バランスが悪いような気がして気が済まない。
考えてみればそれもなんだか不思議な美感だ。
夕飯で一日の栄養バランスの帳尻を合わせてもさほど問題なかろうに。
日が短くなってきた。
最近あまり笑っていないような気がする。
ある時期笑っていなくても、学生時代、あるいは老後、ほどほどに笑う時期があれば、それはほどほどによい人生だったといえるだろうか。
じっくり見ようとフレームの中をのぞけば、逆に見えなくなるものもある。
今に固執しても時間は流れていくし、身体は流されていく。
そんなふと浮かんだ人生訓めいたものを冷めたコーヒーで流し込んだ。
夕飯は何を食べようか。