ふと流れるエンドロールに見覚えのある名前を見付け、停止ボタンを押す。
そういえばあいつ、映像関係の仕事をしてるって言ってたっけな。
映画のエンドロールに名前が載るなんて、誇らしいし、うらやましい。
この世界には見えないエンドロールが流れている。
食卓には生産者や食品メーカー、食器を作った陶芸家といった方々の名前が流れているだろう。
街を歩けば、電気会社や建設会社などのインフラ関係に従事する人たちの名前が。
きっとこの世にクレジットされてない名前なんてなくて、予想もしなかった場所に自分の名前が流れている。
私の名前もどこかに流れているかな?
映画を見終わって布団に入り、目を閉じる。
平穏な一日のエンドロール。
special thanksにあなたの名前を。